和牛のブランド銘柄と3大和牛について語ります

 

 

 

お肉のブランド=銘柄牛

お肉のブランド、または銘柄牛(めいがらぎゅう)というのは、

各地の牧場などで生産者が、黒毛和牛を中心に、各々が独自の工夫をして肥育や飼育を行い、他と差別化を図る為に名付けた国産牛です。

 

黒毛和牛であることは必須です

 

名前をつける為の条件(以下を定義と呼びます)が、地域や生産者によって様々なものがあり、厳しい条件だとその地域で育てられ、その地域で「と畜」をして、さらにランクの高い格付けを受けないといけないものなどもあります。

その中でも、日本で有名な「3大和牛ブランド」について掘り下げていきます。

 

3大和牛ブランドは固定で決まっていない

ブランド牛、又は「銘柄牛」とも呼ばれているこのブランド。

日本におけるブランドの数は、約150以上あると言われています。

 

日本のお肉業界では、この中で3つの大きなブランドがあると言われています。

 

ただ、この「3大和牛ブランド」、業界の人達や地域によっては3種類異なることがあります。

どれが正しいとかもなく業界の中でいつのまにか、どこかの誰かによって自然と発せられ、最終的な決定はないのです。

 

ですので今回はブランド和牛で僕自身が知っているブランド達を記事にしています。

 

ブランド牛の共通する肉質

まずこれらに共通する事は普段見るお肉の中でも段違いな仕上がりになってます。

脂のサシがキメ細かく入り、まさに芸術というばりの仕上がりです。

この脂にも旨味や甘味、香りがあり

脂がお肉を、お肉が脂を

引き立てます。

 

日本代表のブランド牛達の黒幕「但馬牛」

日本でもよく耳にする「但馬牛」(たじまぎゅう)です。

合唱曲「たじま牛」が有名で学生の頃、1度くらいは耳にしたことあるかと思います。

但馬牛は、優れた特性を伝える強い遺伝子をもっている事から、全国のブランド牛達の元となっています。

有名所だと、あの松坂牛や神戸牛などの素牛にもなっています。

 

兵庫県産(但馬牛)と認定されるには以下の定義が必要になります。

・兵庫県の選び抜かれたオス牛の精子用いて歴代に亘り交配したウシ(メス牛の規定はなし)

・出生地が兵庫県内であること

・繁殖から出荷まで「神戸肉流通推進協議会」の登録会員が肥育している事

・生後28か月以上から60か月以下の肥育期間であること

・兵庫県内の食肉センターに出荷しなければならない

という条件が必要です。

※注意点、ここでは完全なブランド牛「但馬牛」とはまた違います。あくまでも兵庫県産(但馬牛)と表示できるだけです。

 

そして、「但馬牛」と表示する為には更に以下の定義が必要になります。

・歩留等級が「A」または「B」等級以上であること

この条件を経て「但馬牛」や「但馬ビーフ」を表記する事が出来ます。

 

 

・但馬牛の歴史

但馬牛の歴史をさかのぼると「平安時代」から存在していたと言われています。元々は、畑を耕したり輸送を行うなどの「役牛」として働き、さらには食用にも適しているとされていました。

特徴としては繁殖力が高く、小型で力強く、飼料の利用性がよい事から人気がありました。

1797年生まれの前田周助という人物が、但馬牛の価値を見出しそこでようやく全国的価値を高めていきました。

 

・絶滅したと思われた但馬牛が復活

明治時代になると国内では外国種が扱われるようになり、但馬牛と外国種の交配が行われ雑種生産が進行していました。

けど、肉質が劣化していく等、欠点の多い事から生産は中止されましたが、但馬牛のと交配がかなり進んでしまっていた為「時すでに遅し」。良牛を生み出す、いわゆる「純血種」が全滅してしまってしまいました。

ここからが面白い所で、この純血種が全滅したと思われていた矢先、兵庫県の最奥にある集落の「熱田」に4頭だけが生存していたんです。

陸の孤島と言われるくらい他の村からも離れている事から、奇跡的にも外国種との交配を逃れていたんです。これを「奇跡の4頭」とも呼びます。ここから但馬牛は復活していく訳ですね。

 

・肉質の良さから全国のブランド牛の素牛として活躍

肉質もいい事から遺伝性も高いため、全国のほとんどのブランド牛の素牛になっています。

ブランドによっては、元のブランドの血統に但馬牛の血統を交えるなども行っています。

これらを経てみると但馬牛の偉大さが伝わりますね。

 

・肉質

問答無用の肉質ですね。但馬牛は渓谷の地形に合わせて筋肉が発達している特徴があるので赤身と脂が絶妙なバランスで出来ています。

そのため肉そのものの味がしっかりしていて濃厚で、脂の甘さが絶妙に加わってまさに和牛の王道といった感じです。

 

江戸時代から歴史のある「近江牛」

滋賀県産になる「近江牛」(おうみぎゅう)ですが実は江戸時代から誕生している歴史のある牛なのです。

近江牛の定義

・『黒毛和種である事』

・『滋賀県内で最も長く育てられた』

・『JAS法に定める原産地表示が「滋賀県産」と表示できる事』

を雌牛(めす)、去勢牛(おす)ともに「近江牛」と言われています。

 

近江牛は江戸時代から好評がありました。

この歴史については別記事にしていますのでそちらをご参考下さい。

(参考記事⇒実は縄文時代から親しみがあった「食肉」の歴史

こうみると「近江牛」は大変歴史のある牛だという事がわかりますね。

 

・「認定・近江牛」

更に、近江牛より名付ける条件が厳しい「認定・近江牛」が存在します。

定義は以下になります。

認定・近江牛の定義

・枝肉のランクがA4・B4以上である事

・これ専用の協議会の構成団体の会員が生産したもの

・滋賀食肉センターまたは、東京都立芝浦と畜場でと畜され枝肉格付けされる事

これらを達成しているものには、「近江牛」生産・流通推進協議会の認定書などが発行されています。

 

・と畜する場所が限られる

滋賀の食肉センター等でと畜して初めて銘柄が付くので、かなり流通も限られてきます。

 

・近江牛の肉質

他のお肉と比べてサシ(霜降り)が細かく入っており、口の中で脂が溶けてもその風味が残る特徴をもっています。

生肉自体の独特の臭さが少ないので、刺身やタタキに使われる事も多いです。

 

日本で最も有名な「松坂牛」

言わずと知られた「松坂牛」

三重県で育てられており全国的にも有名ですよね。

 

1935年に東京で行なわれた『全国肉用牛畜産博覧会』で名誉賞を受賞し、戦後にブランド牛として認知されるようになったのでそこそこな年数がたっているブランドでもあります。

 

この「松坂牛」となるには以下の定義が必要になります。

松坂牛の定義

・黒毛和種であり、未経産(子供を産んでいない)の雌牛(めす)

・松坂牛専用の個体管理システムに登録されている事

・肥育は松坂牛生産区域(旧22市町村)でのみ肥育され、その生産区域での肥育期間が最も長く、最終まで育ててある事

・生後12ヶ月齢までに、上記の松坂牛生産区域に導入された事

である必要があります。

さらに、兵庫県産の子牛を30カ月以上肥育されたものを「特産松坂牛」と呼ばれ特にきめ細かい肉質を誇り、まさに最高級。

兵庫県産なのでおもに、但馬牛が素牛になっています。

 

・個体管理システムとは

細かいとこまで1頭1頭しっかり管理されており、食べていた餌や血液型や名前までたくさんの項目で管理されています。

個体識別番号という10ケタの数字で管理されており、いつどのようにして我々食べる側の方まで届いたのかをいつでも追えるようになっています。

現代では、ネットいつでも松坂牛を取り扱う会社のサイト等確認できます。

 

・肥育場所がかなり限られている

生産区域が指定されているので、流通量も変わってきます。

例えば京都ではなかなか見かけないですよね?

これらの課題をクリアしてようやく「松坂牛」となるのです。

 

・松坂牛の肉質

きめ細かい肉質に適度なサシ(霜降り)で最高のバランスが取れています。

脂肪の融点が特に低く(融点とは脂が溶け出す温度帯の事)、口に入れたらすぐに溶けてまろやかです。

 

「神戸牛」もしくは「神戸ビーフ」、どっちが正解?

どっちも正解です。人によって呼び方が違うだけで意味は同じですね。

現在では「神戸ビーフ」と呼ばれていることが主流ですね。

 

実は、「神戸ビーフ」というのは「但馬牛」の発展方でして、牛さんそのもの血統は「但馬牛」になります。

 

この神戸ビーフなるには、まず

兵庫県内で9か月間育てられた但馬牛の血統(これが本来の銘柄です)の子牛からさらに別の牧場等で28~32か月間、厳選されたエサや水などを与えて育て上げます。

 

要は、

但馬牛の中で選ばれた牛さんが、神戸ビーフへの道を歩む訳です。

(※ただし、まだこの段階では「神戸ビーフ」になっていません)

その後、出荷されお肉となるのですが、格付けの時にさらに以下の定義をクリアする必要があります。

 

神戸牛(ビーフ)の定義

・霜降りの度合いを表す「BMS」がNo.6以上

・可食部分(食べられる部分)の割合(歩留等級)がA・B

・枝肉の重量が470kg以下であること

・肉質のきめ細かさ(脂のサシ具合等)、しまり具合がすぐれている

 

しっかりとした肉質を確認してからになりますので厳しい認証になります。

BMSや歩留まりなど難しい言葉に関しては別記事にて解説していますので、そちらをご参考ください。

(参考記事⇒牛肉の格付けの基準とは

 

これらの課題をクリアして初めて「神戸ビーフ」となるのです。

さらに神戸ビーフに認定されてからでも、「但馬牛」とも「神戸ビーフ」ともどちららでの呼称できます。

 

・神戸ビーフの肉質

こちらも脂肪の融点が低く、性質上オレイン酸が豊富です。

肉繊維が細かく、肉の旨味と脂の上品な甘味が口の中に広がります。

 

宮崎の特産品「宮崎牛」

元々、畜産業が盛んな宮崎県では、子牛の出荷頭数が多く、他県での銘柄の素牛となることも多かったです。

そこで県内でそのまま肥育して自分たちで育てる事で「宮崎牛」のブランドの確立がされました。この時が昭和61年になります。

宮崎牛と表記するには以下の定義が必要になります。

宮崎牛の定義

・黒毛和種であること

・宮崎県内で生産肥育を一貫していること

・日本食肉格付協会の格付基準の肉質等級4等級以上であること

が必要であります。

 

・宮崎県内で生産肥育を一貫

牧場経営の中でも「生産」「肥育」は分かれている事が多いのですが、それらを一貫して行う必要があるので、手間と時間をかけているのが特徴です。

・肉質

脂ときめの細かさ、肉質も良いのですが、味が甘いのと香りが特徴で芳香な香りが漂います。

「宮崎の極上グルメ」とも言われており、宮崎の有名な特産品となりますね。確かに宮崎牛、よく見かけます。

 

まとめ

これらブランド牛になるには、それぞれ定義が存在しそれらの条件を満たしていないと認証されないという大変厳しい中、牛さんたちも成長している訳ですね。

この記事をまとめると

・これらブランド和牛の肉質は最高級とも言える

・地域によって流通量が違う

・生産者のこだわり、個性が表現されている

・生産者の苦労が半端ない

・食べれる機会は少ない

 

とにかく牛を育てられる生産者の方の苦労がとてつもないです。

テレビでもやっていたりしましたが労働力がすごいです。

やはりその労働や苦労の結果が反映されているのだと思います。

 

僕もたまに焼き肉屋さんとかスーパーいって購入しますが、本当に美味いです。(おそらくたまにしか食えないから余計においしく感じるのでしょう・・)

 

僕の食べ方としては、

味わって食べたいので、白ご飯はあえて用意せずに、赤ワイン片手にじっくり堪能しています。

 

ブランド和牛について勉強出来たら、食べてみよう~!

 

お読み頂きありがとうございました by翔やん

 

 

 

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