教職員として主任という立場になり意見をまとめた
私はかつて教職員として、学校現場で働いていました。
その時に最も難しかったのが、教科主任の仕事です。
お察しの通り、主任はリーダー的存在であるので、20代から60代の先生の意見を総括する立場にあります。
しかし、困った事に、若い方と年配の方の意見は対極になりがちです。
ディベート的考察の導入
そこで、私が考えたのが、「ディベート的考察の導入」です。
具体的には、私はディベートでいうジャッジ(判断)を下す立場なので、敢えて自分の口から決断を下す発言をしないというものです。
会議で色んな意見が飛び交う中で、議論に発展がみられないように思われがちですが、案外これが上手くいきます。
例えば、会議中の席で自分のそれぞれの意見を主張するAとBがいたとします。
どちらにも共通しているのは、「自分の意見を採用してほしい」という思いと「認められたい」という欲があります。
つまり、どちらかをこちらが選択することにより、どちらかの自尊心を傷つける結果を招いてしまいます。
そんなことをすれば、後々気まずいですよね…。
だから、結果としては、何も判断を下さずに、AとBの肯定的な面と否定的な面を整理することに努めます。
会議中の話を整理する
どんなに白熱している会議であっても、物事を整理することにより、会議に出席している全員がもう一度冷静に考え直す機会が与えられますし、誰も傷つきません。
その中でAやBが各々主張を強く、意見してくる場合は
「確かに、それも一理ありますね。」という風に、こちらがやんわりと受け流します。
議長もしくは主任の務めは、決定権を持っていることではなく、議論の円滑な進行かつ意義のある議論を行える環境の整理だと私は思っています。
もし、あなたが同じように会議をまとめる立場にある場合は、自分で決断を下すのではなく、場に委ねてみてはいかがでしょうか?
不思議と、「あ、それなら今回は○○が大切だし、Aがいいかも」とか「うーん、今回は○○が起こっては困るし、Bは避けたほうがいいかな」という意見が会議に出席している方から上がるはずです。
自分を殺し周囲を活かす
そして、最後は、
「では、今回はAにしましょう。(AとBの)○○先生と○○先生、お二人とも刺激的な案をありがとうございます。今後も僕が思いつかないような素晴らしい案をよろしくお願いします。」のように、ノーサイド状態で終了させ、自分が謙ることで、両者に優越感を持たせてあげましょう。
この最後の一言はとても恥ずかしいですが、この一言があるだけで、私自身は株がすごく上がったようです。(後から聞いた話ですが…)
今回は会議での決断を下さないテクニックとフォローの仕方についてでした。
皆様がこれから出席される会議が有意義なものになることを願っています。
お読み頂きありがとうございました。